病気からの復帰
サポサポ その後、病気への対処法を身につけて32番をつけて復帰するわけですが、挫折と復帰を味わったことで自分の中のサッカー感は変わりましたか?
新さん 復帰一年目は正直なところ、1年やりきれればいいという気持ちでした。
チャンスをもらえたのだから、他の人に迷惑をかける事なく、試合にも出場して、1年やれればということしか考えていませんでした。そうすれば次につながるかなと。
サポサポ 今までに例がないことでしたから、実際どのくらいやれるのかは誰にも分からなかったですよね。
新さん そうですね。だから会社(ヴァンフォーレ甲府)も不安だったと思います。
サポサポ それでも、結果としてプロで長く活躍することが出来ましたよね。
杉山さんはプロの中でもスタミナがかなりある方だと思うんです。後半残り僅かな所で全速力でオーバーラップしていたり。
新さん そういうサッカーでしたしね。
サポサポ そのプレーを見ている限り、病気が影響した部分というのは見えなかったんですが、実際のところ何か影響はあったんでしょうか。
新さん ん~、特になかったですね。
特に大木(大木武)さんと安間(安間貴義)さんの頃は練習がきっちり決まっていたので、薬の量なども調整がしやすかったですし、特に狂いはなかったですね。
大木武
ヴァンフォーレ甲府を初めてのJ1昇格へ導いた監督です。
直線的で男気あふれる言動は当時から選手やサポーターに大きな信頼感を与えていました。
サッカーとしては今いる選手たちで出来ることを最大限に考えるタイプでした。
現在(2016年)は、日本女子サッカーリーグのバニーズ京都SCでスーパーアドバイザーを務めています。
安間貴義
大木監督の下でコーチをしていました。
全体練習の後の居残り練習は安間塾と言われ、多くの特に若い選手の成長へ大きく貢献しました。
ちなみにバレーにシュートを教えた人とも言われています。
大木監督退団後には監督も務めました。
現在(2016年)はFC東京のトップコーチです。
サポサポ チームが変わると調整が必要になるんですね。
新さん そうですね、大宮でも一週間で見たときに負荷の変化があったので、最初は調整が難しかったですね。
サポサポ プロ選手だと運動や食事的に血糖値の変化が大きそうなイメージがあるんですが、そのあたりは影響したんでしょうか。
新さん いや、逆に食事が多ければ薬の量を合わせればいいくらいの簡単な気持ちでやってました。
深く考えすぎて数字とか見始めてしまうと、僕の場合はパニックになっちゃうんで(笑)
先生(医師)にもそんな感じでいいんですよって言われてました。
サポサポ 考えすぎるのも良くないということですね。
新さん この辺りは人によって違うかもしれないです。
甲府でのプレー
サポサポ そういえば甲府でも最初は左サイドで出てましたよね。
柏といい甲府といい何故か最初は左というのは、指導者的に左でも行けると思わせるものがあったんでしょうか。
新さん 大木さんは、前への推進力という部分を見てくれていたと思います。
特に左でのクロスが上手いわけでもなかったですし。
サポサポ ボールを持ち込んだり、切り込んでシュート打ったりして欲しいといった感じでしょうか。
新さん そうですね。
そういう前に行く部分を買ってもらえたんだろうなと・・・聞いてみないと分からないですけどね。
サポサポ サイドバックとサイドハーフでの違いってありましたか。
新さん 実はほとんどハーフしかやってないんですよ。
サポサポ そうなんですか。
新さん 柏でも中高でもウィングバックでした。クロスが上手いわけでもなかったんですけどね。
ただ、プロになってからはクロスも練習して・・・遅いですよね、プロになってからって(笑)
サポサポ 珍しいとは思います(笑)
新さん 甲府はプロとして一番伸びた時だと思いますね。
J1昇格の経験
サポサポ 甲府では入れ替え戦やその前の最終節京都戦など、衝撃的な経験が多かったですよね。
あのときは流れとして何か起きそうな予感を感じさせるものがありました。
そういう空気の中で、入れ替え戦の相手が古巣の柏レイソルになったわけですが、特別な気持ちはありましたか。
最終節京都戦
2005年の昇格を決めた年の最終節です。劇的な勝利によって4位から3位になり入れ替え戦へ進出を決めた試合でした。

この試合で新さんはファールで退場して、そのファールによってゴールの至近距離から間接フリーキックが行われるなど、とてもスリリングな展開で当時からのサポーターにとっては今でも語り草です。

このあたりのお話も、著書で触れていますので、ぜひお読みください。
新さん いや、そういう感じでもなかったですね。そんなに試合に出ていたわけでもなかったですし。
柏は前年に続いて入れ替え戦ということで、いろいろ厳しい時期だったんだろうなという感じはしていました。
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